偶然を生きる<読んだよ>
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: Kindle版
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偶然とは神秘である。
今よくあるスマホゲームで、ガチャを初めてしたら、すごい高レアリティが出た!これに神秘を感じるのが人間。この確率を操作するから問題があると思われる。
ちょっとサマるのが難しいが、基本的には幸せとは何か?という本。
本書では大まかに4種に分類できるという経験について
第一の経験が「直接的な経験」――五感と時間感覚です。 第二の経験が「間接的な経験」――これは社会的な経験ともいえます。 第三の経験が「神話的な経験」――超越的な経験であり、実証不能なものがほとんどです。 第四の経験が「人工的な経験」――物語を生み出す力の源です。
としている。ちょっと他の本当の関連性見られるので後でメモしておきたいと思うが。ようは、1つの経験に囚われるのはよくないということ。
いくつか印象に残った点をメモっておく。
刑務所で行われるイジメとして、穴を掘らせて、また埋めさせる。というのを挙げている。決まり切ったこと、因果関係がはっきりしすぎていること(掘れば穴が出来て、埋めればなくなる)を延々とやらせるのは、体力的には大丈夫でも精神的にくる、らしい。
上記のような単純作業に飽きさせないには、報酬が有効と云われている。。労働の後のビールなども含まれる、と(笑) 確かにそういうのが好きな人は好きですね。私は下戸ですが気持ちは分かります。
後は日本の教育水準の高さに、外国人が驚く話が印象的。 例えばホームレスがいるとして、段ボールの上に寝転んで新聞を読んでいる。海外の人からすれば、「新聞を読むぐらい教養のある人が、なぜ豊かな日本でホームレスをしているのか?」と。
云われて見れば変なような、そうでもないような。良い意味でも悪い意味でも豊かな国である。
筆者がネパール人から聞いたジョークも、そんな日本を際立たせる。
「内戦があっても10年間で3万人しか死ななかった。日本より平和だろう?」
日本では1年間に2〜3万人が自殺をしているという。
一体どちらが幸せな国なのだろうか。それでも日本が良いと思う私は、第2の体験に縛られているのかもしれない。