「読まなくてもいい本」の読書案内<読んだよ>
「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/11/25
- メディア: Kindle版
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いやあ、タイトルからもっと浅薄な本だと思っていたが、知の集合体たる本であった。
- Political Correctness いわゆるPC。政治的正しさ。PC界隈ではブラインドタッチとはもう言わないんだよ〜的な存在で有名。諸外国でもやはり面白い(?)らしく、海外ドラマなどを見ると、おじいちゃんが「インディアンが〜」というと、「ネイティブアメリカンよ」と言い直させるくだりはよく見る。
ペットのことを「animal companion」と呼ぶというのを見て、そういうことだったのか!と思ったのは、ゲームでよくペットのことをanimal companionと呼ぶのだが、PC的な言い回しだったんだな、と。
プロスペクト理論 いたるところで言われているが、一番腹落ちした。損をする、ということに人間は耐えられない。石器時代に、損をする、マイナスである、借金がある、という状態は、獲物が捕れない、獲物を捕っても食べられない(奪われる)状態を意味していて、直死亡!となるので、マイナスにならない可能性を模索する。
また、税金の源泉徴収も給料から天引きされているので、自分が税金を払っているか全く興味はないが、自営業などでいったん自分のものになった収入から税金を払うことになる場合は強い心理的抵抗がある、というのもなるほどです。
目先のことにとらわれ、先のことはあまり気にしない
今日を生きていくのがやっとの暮らしをしていれば、1年後のことを考えたって意味がないと思うだろう。達磨だったか仏教だったか、人の不幸は生が有限なのを忘れてしまうこと、という言葉があった気がします。しかし、今の長寿社会では
目先のことにとらわれず先のことを考える
ことが重要である。
- ナッジ 選択肢を奪ったりルールで禁止するのではなく、仕組み(デザイン)を変えることでひとびとをよりよい選択に誘導していくことを「ナッジ」と読んだ。Nudgeは「(ひじなどで)そっと相手を押す」という意味。
大学のカフェテリアで
健康にいいサラダを前に、フライドポテトを棚の一番奥に置くよう配置してみればいい。カフェテリアにフライドポテトがあるのにそれを選ばなかったなら、自分の意思で決めたことだから、生徒はその選択に満足するだろう。
というように個人の自由な選択を認めつつ、社会全体の効用を最大化するよう制度を設計すべきだという話がよい例として記載してある。
ナッジ、この前読んだワーク・ルールズ!にも出てきたな。
この本は熟読しよう。